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発達障がいに関するFAQ(就園、園生活編)

■発達障がいに関するFAQ(就園、園生活編)


発達が気になるわが子が就園の時期を迎えました。
どんな園がこの子に合っているんでしょうか?
相談した園の園長先生は「だいじょうぶ」って言ってくれましたが…。

子どもの成長は嬉しいものですが、その節目節目で悩みもありますね。
今回のご質問にある就園やその次にやってくる就学問題もまさにその最たるものだと思います。
特に就園は本格的な母と子が離れる生活のスタートですから不安や悩みも大きいと思います。

さて、子どもは集団の中で育つとよく耳にしますが、これは発達障がいをもつ子どもにとっては100%の真理ではないと私は考えています。
集団で育つことができる子どもとは集団で生活できる準備が整った子どもであると私は理解しています。

発達の凸凹が大きいお子さんの就園や就学を考えるときは是非年齢で考えるのではなく
目の前のお子さんがいまどれくらいの発達状態にあるのかをしっかりとみてあげてください。

例えば、
*他の子の存在を意識し始めている。
*大人との関わりを喜ぶ。
*拒否や要求を自分で表すことができる。(言葉以外の方法でも。)

それぞれの園によって受け入れ態勢は違うと思いますが、子どもを丸ごと受け入れてくれるところでも、子どもがこれくらいの状態でないと、園での集団生活はご本人にとって辛い時間になってしまう恐れがあります。

また園長先生がおっしゃった「だいじょうぶ」の意味と根拠を園を決定する前に確認しておくことはとても大切だと思います。
これまで、発達が気になるお子さんを保育した経験があるのか。
その場合、園としてどんな配慮が行われたのか、など、詰問調にならないよう「教えてください」という気持ちで穏やかに質問してみてください。
その質問に丁寧に答えて下さる園はまずは信頼できるのではないでしょうか。
反対に質問を迷惑そうにしたり、具体的な説明がなく「だいじょうぶ」を繰り返すだけならば、私だったらその園とは距離を置くと思います。

今の子どもの発達状態を丸ごと理解しようとしてくれる園なら安心して大切なわが子を預け、一緒に育てていくことができますね。


お友達を叩いてしまいます。どんなに叱っても約束しても叩いてしまいます。
どうすればいいでしょう?

自分の子どもがケガをするなんて想像もしたくないですよね。
でも、もっとつらいことは自分の子どもが他のお子さんにケガを負わせてしまうことではないでしょうか。
とても悲しいですし、相手のお子さんにも親御さんにも申し訳ない気持ちで心が痛くなりますね。
ですからご質問くださった方がいっしょうけんめいにお子さんを叱ったり諭される気持ち、とてもよくわかります。

ただ、ご質問にあるように、『どんなに叱っても約束しても叩いてしまいます。』ということでしたら、叱ったり約束することは今のお子さんにとってあまり効果的な方法ではないのかもしれないと、考えてみてほしいのです。
またお子さんが他のお子さんを叩いてしまった後にどんな結果を得ているかを是非観察してください。

例えば、次のような状況で他のお子さんを叩いてしまっていたとします。
①    お子さんにとって魅力的なおもちゃを他のお子さんが持っていた。
  ↓
②    そのおもちゃがほしくてお子さんは相手のお子さんを叩いてしまった。
  ↓
③    怒られてしまったけれど欲しかったおもちゃは手に入れることができた。

お子さんは怒られてしまったけれど、当初の目的を達成していることになります。
じゃぁそのおもちゃを取り上げて怒ればいいのかと言えば、全然そうではありません。
もし③の段階で怒りながらおもちゃを取り上げたとしても、子どもからすれば大切なものを奪われたという理解にしかならない可能性が大変高いからです。

では大人はどんなふうに考えればよいでしょうか。
②や③の段階で介入してもなかなかうまくいくことは少ないと思います。
なぜかというとすでに事態は動き出し子どもの感情も高ぶっているからです。
(今回の場合は○○がほしい!すごくそれで遊びたい!!)
ですから①または①の手前の段階が、子どもに失敗経験をさせずに対応を伝え教えていく絶好のチャンスなのだと思います。

子ども同士で苦手なことを学び獲得することはとても大変で時間もかかりますし、なによりその間にたくさん叱られてしまうと思います。
苦手なことの練習はまず大人と十分にやってから(その間にいっぱいほめてもらって)、
子ども同士でのやりとりへと広げていければいいですね。
時間がかかると思われるかもしれませんが、失敗から学んでよい方法を身につけていくことはとても難しいことです。
それよりも発達障がいをもつ子ども、いえ、これはどんな子どもであっても、ほめられ成功経験を重ねながら身につけていく方が簡単ですしなにより楽しいですよね。(楽しいのは子どもだけでなく親もだと思いますよ!)

いまの例えはほんの一例です。
Q1の中の●発達障がいをもつ人とどう向き合うべきか、でも書きましたが、「お友達を叩いてしまったこと」は行動です。
怒る前にお子さんの立場になって、なぜ叩いてしまうのか、と考えてみてください。
行動のきっかけとなった、行動前のお子さんが置かれていた環境に是非目を向けてください。

さいごに、子どもの理性に訴えたり、我慢させることもひとつの方法だと思いますが、それは子どもを取り巻く環境を整理する(※1)ことと並行して行うべきだと思います。

※1 例えば
・どうしても相性が悪くしょっちゅうぶつかってしまう子ども同士ならまず二人の動線を離す。
・適切な要求の伝え方をまだ獲得していないのであれば要求の方法を教える。
・周りがうるさくて子どもが落ち着けないのであればその子供が安心できる環境を考える。など

誤解しないでいただきたいのは、これらのことをずっと続けろ、と言っているのではないということです。
まず怒られやすい環境からほめられやすい環境で子どもを活動させてほしいのです。
その結果子どもは安定し、いろいろなことを身につけていきやすくなります。
「ボクってけっこうできるぞ」「ワタシこのまえできたから、ちょっとがんばってみよう」
こんなふうに思えるように、ほめられたりうまくいく経験をいっぱいさせてあげてくださいね。


上手にお友達と遊ぶことができません。
いつか自分で友達をつくって楽しく遊べるようになるのでしょうか?

自分の子どもと同年齢のお子さんたちが集団で遊ぶようになってくるとわが子との違いを目の当たりにし、焦ったり悲観したりしてしまうことは発達障がいをもつ子どもを育てたことがある人なら一度は経験するのではないでしょうか。
質問してくださった方も今まさにそんな気持ちをかかえていらっしゃるのでしょう。(違っていたらごめんなさい。)

ご質問者のお子さんが何歳でどれくらいの発達段階にいらっしゃるのかはわかりませんが、発達障がいのない子どもたちであっても、子どもだけで遊べるようになるまでは大人の仲介は必要です。
(幼稚園や保育園の先生は実に上手に子どもたちと関わり、関係を調整しながら遊んでいらっしゃいますよね。)
保育士さんと同じようなことは難しいと思いますが、できる範囲でお母さんもいっしょに、お子さんが慣れ親しんだおうちやよく遊ぶ公園などで友達と遊ぶことから始めてみてはいかがでしょうか。
まだお友達にそれほど興味をもっていない段階であるならばお母さんやお父さんがいっしょに遊んであげてください。
そこで自分以外の人となにかをいっしょにすることって楽しいな、という経験ができるといいですね。
でも、無理はしないでくださいね。疲れちゃいますから。ご家庭にあったペースで楽しく継続できればいいと思います。

それから間違っていたらごめんなさい。ご質問の内容からなんとなく感じたのですが、お母さんはお友達がたくさんいる方がよい、と思っていらっしゃるのでしょうか?
価値観は人それぞれですが、友達はたくさんいなくてもいいと私は考えています。
友達を作らなくっちゃ、って思いながら生活するのってしんどそうです。友達は作るものではなくできるもの。
ひとりでも友達がいるってすばらしい。わたしはそう考えていますが、いかがでしょうか?

(アドバイザー:いちばんぼし たれみみ)

 

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