「もしかしたら避妊に失敗したかも・・・」
そんな時に妊娠を防ぐ薬として使用されているのが「緊急避妊薬(モーニングアフターピル)」です。
「望まない妊娠」「人工中絶手術」を防ぐためには低用量ピル(OC)とコンドームの併用で、確実な避妊をすることが第一。
ですが、万が一の時には、自分の身体を守ってくれる緊急避妊ピルに対して正しい知識を身につけておきましょう。
(もちろん、性被害(レイプなど)にあったときには必ず医療機関や警察に相談し、緊急避妊ピルを内服しましょう)
避妊をしないで性交渉をしてしまった、避妊に失敗してしまったなどの場合に服用することで
妊娠を防止するお薬(ホルモン剤)のことです。性交渉があって72時間以内であればこの緊急避妊ピルの内服で妊娠の確率を減らすことができます。
- ・性交渉の時にコンドームを使用しなかった
- ・性交渉の時にコンドームが破れたor途中で外れた
- ・性交渉の時にコンドームを着けずに膣外射精(外出し)をした
(膣外射精は避妊したことにはなりません!!) - ・性被害(レイプ・性交を強要された)にあった
上記のようなケースで妊娠を望まない場合には緊急避妊薬の服用が必要となってきます。
(またレイプなど性被害にあり避妊ができなかったというケースにも、この緊急避妊薬が用いられます。
この場合、地域の性暴力被害者支援センター(ワンストップセンター)や最寄りの警察署、あるいは産婦人科に相談することで、
公費により無料で緊急避妊ピルが処方され、性病の検査や傷の処置も受けられます。
また心の傷のサポートもあります。勇気をもって、相談してください)
受診・服用タイミングは?
緊急避妊ピルは、性交渉のあと72時間以内(3日以内)に服用しなくてはいけません。
避妊に失敗したかも・・・と思ったら、
性交渉の翌日あるいは翌々日にまずは婦人科を受診する必要があります。
(緊急避妊ピルは薬局などでは手に入れることができません。婦人科・産婦人科など医療機関での処方が必要です。)
なぜ緊急避妊ができるの?
緊急避妊ピルは女性ホルモンの合剤です。一度に多めのホルモンを内服することにより、排卵を抑制したり、受精をさまたげたり、子宮への受精卵の着床を抑制するなどの働きにより、緊急避妊につながります。
ただし効果は100%ではありません。(認可された正規の緊急避妊薬<ノルレボ錠>で約80%の妊娠阻止率と言われています)
そして服用方法が間違っていたり、きちんとした用量が服用できなかった場合は避妊効果が得られない可能性があります。
また緊急避妊ピルは中絶薬ではないので、受精卵の着床が完了してからの服用では効力はありません。
副作用は?
個人差はありますが、下記のような副作用の症状が現れる可能性があります。
多くの場合、下記症状は内服後24時間ほどで治まりますが、
もしも症状が治まらずに悪化をするような場合は、医師に相談をして診断を受けるようにしましょう。
- ・吐き気
- ・嘔吐
- ・頭痛
- ・胸の張り
- ・めまい
- ・腹痛
- ・不正出血
価格は?
このお薬は、保険適用のお薬ではありません(自費診療)
医療機関や薬の種類によって価格は様々です。各医療機関で確認してください。
診察料、薬代を併せて1万円以上はかかると認知しておいてください。(例;診察・指導料 3000円 薬代14000円)
(ヤッペ法の場合、約5000円前後ですが、認可外のお薬の代用になります。処方してくれる医療機関もありますが、
妊娠阻止率は約57%と低くなりますし、副作用も強く出る傾向があります。医師とよく相談してください)
妊娠を防げたかどうかはいつわかりますか?
服用後数日~3週間以内に出血が起こり、予定通りしっかりとした生理がくれば避妊ができたことになります。
もし3週間たっても出血がみられない場合は妊娠した可能性がありますので、妊娠検査をする必要があります。
市販の妊娠検査薬で検査をするのもいいですが、なるべく早く医療機関できちんと相談することをおすすめします。
未成年でも処方してもらえますか?
未成年であっても処方、内服はできますが、基本的に保護者(お父さんやお母さんなど)の同意が必要です。
ですが、緊急性のあることですので困ったときは、まずは医療機関に相談してください。
緊急避妊はむやみやたらに使う薬ではありません。
きちんとした避妊は性病予防のコンドームと低容量ピルの併用が基本です。
またコンドームの使用方法も今一度確認し、正しく、きちんとしたタイミングで使用しましょう。
最近は避妊に協力的でない彼との性交渉のあとに、不安になり来院される女性が多いです。
理想的な避妊には、カップル同士のいい人間関係も重要な要素になります。
きちんと避妊してくれないパートナーはアナタのことを大切にしてくれていると言えるのでしょうか?
避妊についてきちんと話し合えるいい関係をめざしましょう。
また女性主体でできる確実な避妊方法の低容量ピル(OC)の服用は女性にとって強い味方です。
医療機関できちんと相談して処方してもらってください。
子宮頸がんなどの婦人科検診のときに医師にそっと相談してみるのもいいでしょう。
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エディター:伊藤加奈子
ココカラウィメンズクリニック院長/産婦人科医師
女性のための癒しと医療の総合施設「ココカラウィメンズクリニック」院長。統合医療、代替医療の普及、自然派美容、
食育などの観点から女性の健康とライフスタイルを支援。 「NPO法人ウーマンリビング代表理事を務める。